「ゆっくり茶番劇」は「東方の入口」か
2021年5月30日 動画 コメント (2)先日、あるツイートがタイムラインで目に入った。
その内容を簡単に説明すると、「まず二次創作(ゆっくり茶番劇)をきっかけに東方を知ってもらい、後から深い東方の世界に入ってきてもらおう」というもの。
これについて、実際にゆっくり茶番劇が東方の入口として機能しているかを考えてみたところ、
まず、以前コミュニティで実施したアンケートによると、ゆっくり茶番劇の視聴者の50%以上はゆっくり茶番劇を始めたとしたYouTubeの作品でしか東方に触れていないことが示唆された。(回答者は約180人程度なのでこれが全てではないが)
【追記】
先日、再確認のため同じアンケートをもう一度行ったが、その際に大手動画投稿者の方にそのアンケートを共有していただき、2000以上の票を得ることができた。
その結果、「東方はゆっくり茶番劇でしか見ていない」「茶番劇以外だと幻想万華鏡くらいしか見ない」「あまり見ない」の合計が50%を超えた。
(合計票数が1000を超えたあたりから割合はほぼ変わっていなかったため、この割合はほぼ正しいと見て良い)
つまり彼らの半分以上は「ゆっくり茶番劇」をあくまで「ゆっくり茶番劇」としか見ておらず、東方に興味を持たないまま茶番劇を見ていることになる。
この理由については調査が必要(というより彼らも無自覚にそうしている可能性が高いため調査は極めて困難)だが、動画の内容を考慮すると、「東方ならではの面白さが少なく、どんなキャラでも成り立つようなありきたりな内容であるため、作品を『東方』として見ることができないから」ではないかと推測できる。
実際ゆっくり茶番劇は原作の要素をまるっきり白紙にした恋愛茶番、日常茶番などが一つの主流なジャンルになっており、検索結果のうちはるか氏の立ち絵を使用した茶番劇の半分以上は恋愛ジャンルとなっている。
また、主人公や色変えオリキャラばかりが目立つ「チート系」と呼ばれるものも主流なジャンルであるが、これも既存の東方キャラは一蹴されてしまい活躍の場面が少ないため、彼らにキャラクターの特徴が伝わっていないとも考えられる。
またもう一つの原因として、タイトルに「東方」の文字がないことも挙げられるだろう。実際ゆっくり茶番劇は「ゆっくり茶番劇」というジャンルで浸透しており、「東方茶番劇」などと呼称されることはほぼない。動画を検索しても、タイトルに「東方」と書かれているのは、シリーズ名が原作風に「東方〇〇〇」(「東方+漢字三文字」)になっているもののみで、それ以外に「東方」と書かれているものは本当にごく少数である。
つまり、「ゆっくり茶番劇」はあくまで「ゆっくり茶番劇の入口」でしかなく、「東方の入口」としてはあまり役割を果たせていないことがわかる。
また、「ゆっくり茶番劇は同人誌の代替物、同人誌の動画版である」という主張も目にしたので、これに関しても考えてみた。
私のところに以前、「ゆっくり茶番をきっかけにして東方を知ったが、原作をやったりして東方に詳しくなったらゆっくり茶番が楽しめなくなり、見るのをやめてしまった」「ゆっくり茶番をきっかけにして東方を知ったが、他のいろんな作品を見ると、キャラクターイメージが動画で見たものとかけ離れすぎていてショックを受けた」というコメントが寄せられていた。
ゆっくり茶番劇が「同人誌の代替物」として機能しているのであれば、このような感想が出ることはない。
また、登録者20万人規模のとある方の調査によると、「ゆっくり茶番劇は東方に詳しい人ほど違和感が強く、楽しみづらい」ことも判明している。
東方は原作未プレイユーザーの割合が多いことでも知られ、二次創作を中心に発展していったコンテンツであることは言うまでもないため、当然「楽しめない」と答えたユーザーも、二次創作を嗜んでいるはずである(そもそも原作しかプレイしないのならアンケートを目にするはずもない)。
これらを考慮すると、ゆっくり茶番劇は、他の東方二次創作(同人誌や手書き劇場など)の内容と比べても特に異質なものであると言わざるを得ないだろう。
理由については、単に動画の絵面などの面も考慮したが、同じような構図(立ち絵+ウィンドウ+ボイス)という構図を持つ東方キャノンボールや東方LWはダウンロード数が7桁を超えるほど浸透しているため、動画の絵面が原因とは考えづらく、また「ボイスが嫌い」という可能性も考えたが、東方人気投票でのアンケート結果では、東方を知ったきっかけというテーマに対して「YouTubeなどの動画サイト」「ニコニコ動画」「2ちゃんねるをはじめとした掲示板」の合計が50%を超えているため、東方が浸透した一つのきっかけとも言えるゆっくり及びそれに使われる機会音声が原因とは考えにくい。
つまり、彼らがゆっくり茶番劇に迎合できない理由はその内容にあると言ってよいだろう。
(これは個人的な経験というか観測だが、実際多くのゆっくり茶番劇のように原作における要素やキャラクターの属性、特徴を全て白紙にしている同人誌は確かにほとんど見たことがない)
現状ゆっくり茶番劇は「東方を好きになるきっかけにはなりにくく、逆に東方に興味を持った人は徐々に違和感を感じて離れてしまう」ものであると言えるのではないだろうか。
(時期でフィルターをかけて検索した際にわかるここ数年のゆっくり茶番劇の再生数の低下もこれを裏付けている)
東方は数あるコンテンツの中でも特に二次創作に関して寛容ということで有名だが、そもそもZUN氏がこれだけ二次創作を自由にしたことに対して「東方は同人コンテンツであるため原作だけではコンテンツを展開しにくく、二次創作を第2の宣伝手段とした」と理由付けをしている。
(参照:https://touhougarakuta.com/index_interview/zun_long_interview/)
実際、(ドラえもん最終回同人誌が有名な例だが)著作権の問題で裁判になるケース、キャラクターが政治や宗教に利用されてそのイメージが独り歩きして問題になったケースなど、二次創作に関するトラブルは枚挙に暇がない。実際東方でも、犬走椛が米国大統領選のマスコットにされるといった例もある。
このように、そもそも二次創作を禁止しない(黙認する)というのはそれ自体がリスクになることであり、二次創作とはこういったトラブルと隣り合わせの存在である。本来であれば二次創作は規制する方が安全なものと考えるべきである。
ではなぜそのようなリスクを背負ってまで二次創作を認めているコンテンツがあるのか、言うまでもなく、「それ相応のメリットも存在するから」である。つまり、二次創作とはコンテンツの知名度を広めていく存在でもあり、二次創作を黙認するのはそういった相乗効果を狙ったものである、つまり公式と二次創作者はギブ&テイクの関係と考えるべきなのではないだろうか。
実際先述したように、ZUN氏が二次創作をこれだけ自由にした狙いもそこにあることは間違いない。
つまり、ゆっくり茶番劇が「東方の入口」になりきれていないこの状況は、神主にとっても本末転倒と言わざるを得ないのではないだろうか。
※当記事はあくまで「東方Project」のキャラクターを中心にした動画についての考察になります。東方キャラが全く出てきていない動画に関しては考慮しておりません。ご了承お願いいたします。
その内容を簡単に説明すると、「まず二次創作(ゆっくり茶番劇)をきっかけに東方を知ってもらい、後から深い東方の世界に入ってきてもらおう」というもの。
これについて、実際にゆっくり茶番劇が東方の入口として機能しているかを考えてみたところ、
まず、以前コミュニティで実施したアンケートによると、ゆっくり茶番劇の視聴者の50%以上はゆっくり茶番劇を始めたとしたYouTubeの作品でしか東方に触れていないことが示唆された。(回答者は約180人程度なのでこれが全てではないが)
【追記】
先日、再確認のため同じアンケートをもう一度行ったが、その際に大手動画投稿者の方にそのアンケートを共有していただき、2000以上の票を得ることができた。
その結果、「東方はゆっくり茶番劇でしか見ていない」「茶番劇以外だと幻想万華鏡くらいしか見ない」「あまり見ない」の合計が50%を超えた。
(合計票数が1000を超えたあたりから割合はほぼ変わっていなかったため、この割合はほぼ正しいと見て良い)
つまり彼らの半分以上は「ゆっくり茶番劇」をあくまで「ゆっくり茶番劇」としか見ておらず、東方に興味を持たないまま茶番劇を見ていることになる。
この理由については調査が必要(というより彼らも無自覚にそうしている可能性が高いため調査は極めて困難)だが、動画の内容を考慮すると、「東方ならではの面白さが少なく、どんなキャラでも成り立つようなありきたりな内容であるため、作品を『東方』として見ることができないから」ではないかと推測できる。
実際ゆっくり茶番劇は原作の要素をまるっきり白紙にした恋愛茶番、日常茶番などが一つの主流なジャンルになっており、検索結果のうちはるか氏の立ち絵を使用した茶番劇の半分以上は恋愛ジャンルとなっている。
また、主人公や色変えオリキャラばかりが目立つ「チート系」と呼ばれるものも主流なジャンルであるが、これも既存の東方キャラは一蹴されてしまい活躍の場面が少ないため、彼らにキャラクターの特徴が伝わっていないとも考えられる。
またもう一つの原因として、タイトルに「東方」の文字がないことも挙げられるだろう。実際ゆっくり茶番劇は「ゆっくり茶番劇」というジャンルで浸透しており、「東方茶番劇」などと呼称されることはほぼない。動画を検索しても、タイトルに「東方」と書かれているのは、シリーズ名が原作風に「東方〇〇〇」(「東方+漢字三文字」)になっているもののみで、それ以外に「東方」と書かれているものは本当にごく少数である。
つまり、「ゆっくり茶番劇」はあくまで「ゆっくり茶番劇の入口」でしかなく、「東方の入口」としてはあまり役割を果たせていないことがわかる。
また、「ゆっくり茶番劇は同人誌の代替物、同人誌の動画版である」という主張も目にしたので、これに関しても考えてみた。
私のところに以前、「ゆっくり茶番をきっかけにして東方を知ったが、原作をやったりして東方に詳しくなったらゆっくり茶番が楽しめなくなり、見るのをやめてしまった」「ゆっくり茶番をきっかけにして東方を知ったが、他のいろんな作品を見ると、キャラクターイメージが動画で見たものとかけ離れすぎていてショックを受けた」というコメントが寄せられていた。
ゆっくり茶番劇が「同人誌の代替物」として機能しているのであれば、このような感想が出ることはない。
また、登録者20万人規模のとある方の調査によると、「ゆっくり茶番劇は東方に詳しい人ほど違和感が強く、楽しみづらい」ことも判明している。
東方は原作未プレイユーザーの割合が多いことでも知られ、二次創作を中心に発展していったコンテンツであることは言うまでもないため、当然「楽しめない」と答えたユーザーも、二次創作を嗜んでいるはずである(そもそも原作しかプレイしないのならアンケートを目にするはずもない)。
これらを考慮すると、ゆっくり茶番劇は、他の東方二次創作(同人誌や手書き劇場など)の内容と比べても特に異質なものであると言わざるを得ないだろう。
理由については、単に動画の絵面などの面も考慮したが、同じような構図(立ち絵+ウィンドウ+ボイス)という構図を持つ東方キャノンボールや東方LWはダウンロード数が7桁を超えるほど浸透しているため、動画の絵面が原因とは考えづらく、また「ボイスが嫌い」という可能性も考えたが、東方人気投票でのアンケート結果では、東方を知ったきっかけというテーマに対して「YouTubeなどの動画サイト」「ニコニコ動画」「2ちゃんねるをはじめとした掲示板」の合計が50%を超えているため、東方が浸透した一つのきっかけとも言えるゆっくり及びそれに使われる機会音声が原因とは考えにくい。
つまり、彼らがゆっくり茶番劇に迎合できない理由はその内容にあると言ってよいだろう。
(これは個人的な経験というか観測だが、実際多くのゆっくり茶番劇のように原作における要素やキャラクターの属性、特徴を全て白紙にしている同人誌は確かにほとんど見たことがない)
現状ゆっくり茶番劇は「東方を好きになるきっかけにはなりにくく、逆に東方に興味を持った人は徐々に違和感を感じて離れてしまう」ものであると言えるのではないだろうか。
(時期でフィルターをかけて検索した際にわかるここ数年のゆっくり茶番劇の再生数の低下もこれを裏付けている)
東方は数あるコンテンツの中でも特に二次創作に関して寛容ということで有名だが、そもそもZUN氏がこれだけ二次創作を自由にしたことに対して「東方は同人コンテンツであるため原作だけではコンテンツを展開しにくく、二次創作を第2の宣伝手段とした」と理由付けをしている。
(参照:https://touhougarakuta.com/index_interview/zun_long_interview/)
実際、(ドラえもん最終回同人誌が有名な例だが)著作権の問題で裁判になるケース、キャラクターが政治や宗教に利用されてそのイメージが独り歩きして問題になったケースなど、二次創作に関するトラブルは枚挙に暇がない。実際東方でも、犬走椛が米国大統領選のマスコットにされるといった例もある。
このように、そもそも二次創作を禁止しない(黙認する)というのはそれ自体がリスクになることであり、二次創作とはこういったトラブルと隣り合わせの存在である。本来であれば二次創作は規制する方が安全なものと考えるべきである。
ではなぜそのようなリスクを背負ってまで二次創作を認めているコンテンツがあるのか、言うまでもなく、「それ相応のメリットも存在するから」である。つまり、二次創作とはコンテンツの知名度を広めていく存在でもあり、二次創作を黙認するのはそういった相乗効果を狙ったものである、つまり公式と二次創作者はギブ&テイクの関係と考えるべきなのではないだろうか。
実際先述したように、ZUN氏が二次創作をこれだけ自由にした狙いもそこにあることは間違いない。
つまり、ゆっくり茶番劇が「東方の入口」になりきれていないこの状況は、神主にとっても本末転倒と言わざるを得ないのではないだろうか。
※当記事はあくまで「東方Project」のキャラクターを中心にした動画についての考察になります。東方キャラが全く出てきていない動画に関しては考慮しておりません。ご了承お願いいたします。
コメント
例のたまゆら氏がとうとう東方厨とのライン動画とやらを出した模様です。https://www.youtube.com/watch?v=ZNaKxS4ZXjs
東方projectの害悪古参信者・古参勢・原作勢はクソ!!
ゼロサムさんは東方古参害悪信者じゃないから最高!!
とにかく東方projectの害悪原作勢や古参勢むりむりむりむり。